おおさか
ここにまた来ようと言いて別れたり爆発しそうな冬のosaka
八丁目からはぽつんとさびしくて幽霊のような街の灯りよ
好きでも・きらいでもない神の通り目をそらさずにじっと育たん
もういいかい氷屋の氷痩せきって宿なしが荷を曳く夕刻
宿題をみているようにみていました燃殻がゆきばをもとめ、あきらめる
何となくさびしきものをかきあつめ他人のせいだと吐く春暮れて
ゆめみられかえされる気になりながら小雨のよそのサイドミラーは
海があるわけでもないのに雨の前は潮のにおいがする街に棲み
紙焼けのシモーヌ・ヴェイユ選集1 晩春の花を踏みしだきつつ
平成の十円玉のみ軽き光じゃらっと混ぜ合わせて手渡せば
押しかえしくる春キャベツ剥く夜も仲良くやってゆくのも違う
春の夜に野菜を切ればやわらかくなあんにもできなかった今日は
もたれあう今はおとうとひとりきり黄砂さらさら歌集の上を
ああ やめてよお行儀良くわれを待つのはどっかの出陣みたいじゃないか
或る朝のとけてなくなる紙のことさざなみのように君と喋った
トラックの窓に足先のぞかせて眠れるひとに小雨降る朝
大川の橋に毎年白き花置かれだれかの小さな祠
パーカーのフード被ればふかぶかと安心がある夜のざわめき
キンコーズへ走るこのまま真南へナイトホークスのあの街まで
月曜の朝さし入れる下じきの傷に光のとどまりてあり
紀水章生さんがお世話してくださる「和歌山で短歌を楽しむ会」で、
短歌の朗読をすることになりました。
鬼太郎やコナンの短歌も読みます。
https://twitter.com/yaneura_neko/status/854713678783856640/photo/1
朗読は千原こはぎさん、泳二さん。